著者:甲斐啓二郎
定価:5,830円(本体5,300円)
送料:710円(定形外郵便)
言語:日本語、英語
判型257 × 250 mm
総頁:132頁
製本:ハードカバー
発行年:2020年
ISBN978-4-88008-481-7
2012年から2018年に、世界の5つの祭り、イングランド・アッシュボーンのShrovetide Football、秋田県美郷町の竹打ち、ボリビア・マチャで行われるTinku、ジョージア・シュフティのLelo、長野県野沢温泉村の道祖神祭りの「火付け」を撮影した写真集。
連続する写真からは、肉体がぶつかり合う音、ほとばしる汗と立ち昇る湯気、言葉にならない音声が聞こえる。スポーツの始原と言ってもいい、格闘する祭り。
近藤和敬(哲学者)による解説、著者と芥川賞作家の石井遊佳との対談、著者による祭事の概要、あとがきを収録。
この写真展は、イギリス、ジョージア、ボリビア、日本で行われている5つの祭事のシリーズで構成されている。これら5つの祭事の形態は、肉と肉がぶつかり合う格闘とも言える身体行為である。現代社会の常識と照らし合わせると、いくらハレの日であっても非常識と顔をしかめる人もいるかもしれない。それを否定するつもりはないが、どの祭事も数百年の歴史があるのである。これらの祭事が連綿と続いているのは、その集落の人々にとって、五穀豊穣無病息災を祈るだけでなく、その文化のなかに、先人から受け継いでいる知があるからだろう。
―『骨の髄』あとがきより